いくつ物を持ってますか？
『いくつ物を持ってますか？』
片付け、断捨離、シンプルライフ、ミニマリスト、等‥。不要な物を減らして、より自分らしく生きる。そんな背中を押してくれる考え方や方法論がずいぶん広まり、実行している人も増えていると思う。
ボクも本好きがきっかけで、今や海外でも有名な近藤麻理恵さん、通称こんまりさんの『人生がときめく片づけの魔法』にとても大きな影響を受け、こんまりさんの教え通りに忠実に片づけを行い、ときめく物だけを残したらほとんど物が無くなってしまった。その時期は冬だったが服もほとんど無くなったのでとても困った経験をした(笑)。
それでもいかに自分が“本当に気に入って”購入した物が少ないかを痛感した。
こんまりさんをはじめ、こうしたシンプルライフ系の考え方に興味を持ち始めたのはもう10年以上前のことですが、今でもそうしたライフスタイルには憧れるし、最近では家も一度くらい自分で一から作ってみたい、という想いも生じている。家も立派な一つの所有物だから。
そんな中、最近購入した『スモールハウス／高村友也』という人の本がまた面白い。
この本の中では、主に海外の3坪程度の広さの家を自作している人達を紹介している。いずれも先進国でお金も物も十分豊かに持っているにも関わらず、そういったライフスタイルを選択している人達だ。家は小さくとも外観や家の中もとても綺麗でオシャレで、立派な家をミニチュアにしただけというイメージ。掃除も楽だろうし、秘密基地のようで見ていてわくわくする。
こうした人達は日常でも物を必要以上に持たないルールを作っているようで、ある女性は、所有物を300個までとルール化して楽しみながら生活しているそうだ。早速ボクも数えてみたけれど、衣類だけですでに120個ほどになった。
こんまりさんに出逢って以来、2～3年おきに片づけは行っていて、だいぶ物は少ない方だと思っていたが、それでも、下着などのインナー類、季節ごとの上着、ズボン、帽子やマフラー、ネクタイやスーツなど、全て合わせると直ぐに100を越えてしまった。この調子で、本やCD、整容品、日用品、機械類、貴重品…などと数えたら1000個くらいはいってしまうだろう…。日頃片づけをしているつもりでもこれだけ持っているのだ。
他にも、ドキュメンタリ映画の『365日のシンプルライフ』で有名なペトリさんというユニークな人もいる。ペトリさんは「一度自分の人生を一から見直したい」という想いに至った事がきっかけで大胆な実験を行う。その実験とは、一度自分の物を全て倉庫に預け、毎日一つずつ“本当に必要な物”を選び取ってくる、というもの。そしてその実際の過程を録画編集し作品にしてしまった。今では映画にもなっている様なので、興味がある人は面白いので是非見て欲しい。初日は素っ裸で真冬の屋外を走って倉庫まで向かう、という所から始まる（もちろん許可は取っているでしょうが(笑)）。この中でペトリさんは「本当に自分に必要な物は100～150個程度だった」という様な事を言っていた。
ペトリさんと同じ事はできないにしても、こうして片づけや、本当に自分にとって必要な物を見極めていく作業を通して買い物の仕方にずいぶん変化が生まれたし、本当に人生が豊かになったと感じている。人生が続く限り片づけにも終わりは来ないだろうが、いつの日か「自分は大好きな物だけに囲まれて生きている」と心から言えるように出逢いのあったモノたちと向き合ってゆきたい。
2023.2.8 記
